ポンプの基礎知識のクラスを受け持つ、ティーチャー モーノベです。
今回はゴム材料の物理的な特性について学びたいと思います。
ゴムの特性を表現するものは、引張り強度や引裂き強度、伸び量、応力歪み量などさまざまな評価項目があります。その中でも、ゴム製品の評価項目として、よく使用される『硬さ』について説明していきます。
世の中のあらゆるものには『硬さ』があります。「硬い」とか「軟らかい」といった感覚的な表現を数値化するために行うのが硬さ測定です。
ゴムの硬さは、ゴム表面に押針を押し込み、その時の変形量を測定して数値化します。針を押し込む力にスプリングを用いる「デュロメーター硬さ」と、分銅などの一定荷重を用いる「国際ゴム硬さ(IRHD)」があります。特に「デュロメーター硬さ」を測定する試験機(デュロメーター)は簡便であり、普及しています。デュロメーターには測定対象の硬さに応じて、中硬さ(一般ゴム)用のタイプA、高硬さ用のタイプD、低硬さ用のタイプEといった機種があります。
モーノポンプにおけるゴム部品にはステーターやジョイントシールなどがありますが、それらの硬さ測定にもデュロメーターを使用します。ステーターなどのゴム部品では通常、中硬さ用のタイプAを用います。
デュロメーター硬さの目盛りはどのタイプも0~100で表します。図に示す様に、押針に力がかかっていないときを「硬さ0」、押針先端が加圧面と同一平面のときを「硬さ100」とし、その間を等間隔に刻んだ目盛りを「硬さ」の値として読みとります。
計測値は相対的なものであって、他の物性値にある単位というものは存在しません。そのためどの機種を使用したかを表記する必要があります。
デュロメーターA95 | ゴルフボール | |
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デュロメーターA60~80 | 一般的なシール部品 | |
デュロメーターA50 | 消しゴム | |
デュロメーターA30 | 自転車のタイヤチューブ |
デュロメーターA50というのはデュロメータータイプAで測定すると50であるという意味です。
ゴムの硬さは温度による影響を受けやすく、一般的には高温では軟らかく、低温では硬くなります。
ゴムは劣化によって硬さが変わります。高温に長時間さらされるとゴムの分子構造が変わり、一般的には硬くなります。また溶剤や薬品に漬け込むと、ゴムが膨潤または収縮することによって、軟らかくなったり硬くなったりします。つまりゴム部品にとって硬さは、劣化度合いを知る指標となるのです。ポンプにおけるゴム部品も定期的に硬さをチェックすることで、部品の交換時期をより正確に把握することができます。
そろそろ時間ですね!最後にまとめをしておきましょう!!
次回は、ゴム材料の化学的な特性について講義をする予定です。