ポンプの周辺知識のクラスを受け持つ、ティーチャーサンコンです。
前回はインバーターが有する問題点の主なものとして高調波のお話をしましたが、今回は「ノイズ」について説明します。皆さんついてきてくださいね。
一般には処理対象となる情報以外の不要な情報を言いますが、電気の分野では機器の正常な動作を妨げる(恐れのある)余計な電気的な信号のことをノイズと言います。ノイズは他の機器の誤動作や表示のちらつきの原因となり、実際に障害が起こった後の対策は困難となる場合が多いので、事前に万全な処置を講じておくことが肝要です。
ノイズは図1のような回路でスイッチを高速でON、OFFすると発生します。インバーターには図2のような出力回路(直流を交流に変換する回路)があり、必要な周波数や電圧を自在に作り出すのに、トランジスタを高速でON、OFFしているので、図1と同様にノイズが発生してしまいます。
発生したノイズは、図3のように電流波形を歪ませ、その歪んだ電流が悪影響を及ぼします。
発生したノイズには3種類(輻射・誘導・伝導ノイズ)あり、図4のような伝播経路が考えられます。
ノイズの種類によって対策は異なり、それぞれの基本的な対策は以下のとおりです。
1:インバーター本体より直接輻射するノイズへの対策
2:電源ケーブルをアンテナとして輻射するノイズへの対策
3:モーター側ケーブルをアンテナとして輻射するノイズへの対策
4、5:インバーターの主回路線に近接する制御線等に電磁誘導作用により誘導するノイズへの対策
6:インバーターの主回路線に生じる電界が制御線等に浮遊容量を通して伝わる静電誘導ノイズへの対策
7:インバーター内で発生した高周波ノイズが電源側電線を通じて他の機器に侵入する伝導ノイズへの対策
8:漏れ電流が接地線から回り込んでくる伝導ノイズへの対策
そろそろ時間ですね!最後にまとめをしておきましょう!!
次回は、インバーターの基礎知識の最終回で、インバーターの選定・設置上の留意点について説明します。