技術コラムA教室ポンプの基礎知識クラス

【A-1a】
ポンプの種類

こんにちは!今回この“移送の学び舎”で授業を受け持つことになりました“ティーチャーモーノべ”です。移送に関する基本情報をわかりやくコンパクトに解説していくつもりです。宜しくお願いします。

そもそもポンプとは一般に液体を低い場所から高い場所へ移送する機械です。言い換えると液体に対して機械的仕事をすることにより、液体に位置・速度・圧力のエネルギーを与えるものです。その際、ポンプはポンプの入口まで液体を吸い込み、次にポンプの中に入り込んだ液体を目的の場所まで移送する二つの重要な能力を持っています。「吸込能力」と「吐出能力」です。

前置はここまでにして、今回の本題『ポンプの種類について』お話したいと思います。ポンプは、その原理と構造により大きく3つの種類に分類することができます。

ターボ型(非容積式)ポンプ

羽根車をケーシング内で回転させ、液体にエネルギーを与える機械です。遠心ポンプ、斜流ポンプ、軸流ポンプなどの総称として使われています。ターボ型ポンプ全般に言える特長としては、高速回転のため比較的連続流ですが、吸い上げ・押し上げ揚程は比較的低く、負荷によって流量が大きく変動するため定量性は低いと言えます。

容積式ポンプ

一定の空間容積にある液を往復運動または回転運動にて容積変化させ液体にエネルギーを与える機械です。容積式ポンプ全般に言える特長としては、定量性が良く、吸い上げ・押し上げ揚程が比較的高いものが多いと言えます。食品や薬品など数多くの業界で使われているポンプです。

特殊型ポンプ

水あるいは蒸気のジェット噴射力を利用したポンプや圧縮空気を利用したポンプがあります。

まだ少し時間がありますね。それではターボ型ポンプに関してもう少し説明しますね!!ターボ型ポンプもさらに3つに分類できます。

1.遠心ポンプ

羽根車から吐き出される流れが主として主軸に垂直な内面にあるポンプです。水道・下水道の送水ポンプから化学プラント用のプロセスポンプまで多様な用途に使用される渦巻きポンプ、羽根車の外側に固定案内羽根を設けて高圧力を得られるよう工夫され高圧で小水量の給水用に適したデフューザーポンプがあります。

2.斜流ポンプ

羽根車から吐き出される流れが主軸の中心線を軸とする円すい面内にあるポンプです。遠心ポンプと軸流ポンプの特性を併せ持っています。渦巻き状のケーシングを有しており、比較的高揚程に適した下水道用の汚水ポンプなどに多く使われる渦巻き斜流ポンプ、大容量用ポンプとして、河川排水用や雨水排水用に多く使われてる案内羽根を有したデフューザー型斜流ポンプがあります。

小さい頃、雨の日に傘を回して傘の先端からしずくを勢いよく飛ばして遊んだことがあるかと思います。これは遠心力を利用した訳で、それと同じ原理でポンプのケーシングに水を充満しておき、その中の羽根車を高速で回転させることにより、羽根車でかき回された水はエネルギーを与えられ遠心力で外周に向かって流れ、外に排出されます。

3.軸流ポンプ

羽根車から吐き出される流れが主軸と同心の円筒面内にあるポンプです。低揚程・大容量に適しており、一般に低流量・高揚程側での使用には適していません。河川排水用に適しており、全揚程は5m程度までの使用になります。

そろそろ時間ですね!最後にまとめをしておきましょう!!

  • ポンプは構造・原理で3種に分類できる。
  • ターボ型は大容量移送用途が多く、容積式は定量供給用途が多い。
  • その他目的に応じた特殊なポンプもある。

次回は、「容積式ポンプ」に関して詳しく説明いたします!!

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