ポンプの基礎知識のクラスを受け持つ、ティーチャー モーノベです。
今回は、ポンプ選定時の大きなファクターである液の性状について学びたいと思います。
扱う流体の性状もポンプ選定の重要なファクターです。前回の講義で説明したそれぞれの水頭に影響する粘度、温度などの数値や、材質選定に関わる流体の化学的特性を知る必要があります。
移送する流体の名称から、性状に関するある程度の情報が把握できるため、流体名は必要な情報です。
流体の温度は吸い上げ能力に大きく影響します。温度が高い場合は有効吸込ヘッド(NPSHava)を算出する上で、流体の飽和蒸気圧の確認が必要です。また温度により流体の粘度は変化します。
一般的にカタログでは常温の清水での性能が表示されることが多いですが、その場合の密度は1,000kg/m3となります。同じ揚程でも密度によってNPSHavaや吐出圧力が変わるため、ポンプの選定や駆動機の選定に必要です。例えば密度1,200kg/m3の流体を移送するとすれば、清水の1.2倍の重さですから押し上げるための動力は1.2倍になりますし、受ける圧力も1.2倍になります。
液は水状の液から、ネバネバ、ドロドロ、パサパサなど様々な液性状があります。液体中の成分濃度が変化すると、それによって密度や粘度が変化します。そのため上で述べたとおり動力や、管路損失水頭の変化により圧力も変化します。また硫酸などの薬品ではその濃度により、使用できる金属材料が異なっています。
そろそろ時間ですね!最後にまとめをしておきましょう!!
次回は、性能曲線の見方や性能面からのポンプの選定法、駆動機の動力について講義する予定です。