ポンプの周辺知識のクラスを受け持つ、ティーチャーサンコンです。
このクラスでは、規格や周辺機器情報など解説をしていきます。よろしくお願いします。
まずはポンプの洗浄について、3回に分けて講義を行います。
ポンプで移送する液には様々な種類があります。移送液によっては洗浄をする必要が無い場合もありますが、食品工場をはじめとして化粧品・医薬品の製造設備では、生産機能以外に、安全・安心や省力化を求められています。今回は安全・安心・衛生などの観点から、ポンプの洗浄について学ぶことにしましょう。
要求を実現する手段としてCIP、SIP、ASEPTICという技術(エンジニアリング)があり、製品であるポンプのレベルにもその技術に対応しないといけません。要求に応える技術・手段としては、下記の4点があります。
最も基本的な洗浄方法は分解洗浄です。COP(Cleaning Out of Place)とも言われますが、読んで字の如く「機器を分解して汚れを落とす」という洗浄方法です。このCOPを実践するうえで、機器には分解組立が簡単で溝や突起物などの洗浄しにくい箇所のない構造、すなわちサニタリー性が求められます。
サニタリー性を要約すると下記のようになります。
CIP(Cleaning In Place:定置洗浄)は技術的に洗浄をいかに合理的に、かつ効果的に行うかを求めて開発された一つの技術で、単に手法またはその設備を指すものではありません。CIPを行うには必要な機械装置の開発をはじめとし、使用する洗剤の研究開発から、洗浄管理技術にいたるまでの総合技術が必要になります。
飲料の製造ラインにおいて用いられる機械は、その製品の品質を保持し、衛生的にも安全であるために、いわゆるサニタリー性を具備していなければなりません。完全なCIPの装置と洗浄目的に合致した洗浄プログラムを準備しても、洗浄対象物の大半を占める製造装置そのものが構造的にサニタリー性を無視したものであれば、いくらCIPを繰り返してみてもその効果をあげることはできません。すなわち、CIP を効果的に行うために、装置の構造と材料、洗浄薬品と洗浄水、洗浄プログラム(ソフトウェア)の総合エンジニアリングが必要ということになります。
一般に経済面からみて、分解洗浄法に比べ、配管の長さが15mを越せば有利となり、100m以上で労力が80%節減でき、規模にもよりますが洗浄にかかる総計費が25%節減できると言われています。
そろそろ時間ですね!最後にまとめをしておきましょう!!
次回は、ポンプの洗浄(自動洗浄における洗浄効果の因子)に関して詳しく説明いたします!!
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