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ポンプの基礎知識クラス

【A-8b】ゴム材料の物理的な特性

ポンプの基礎知識のクラスを受け持つ、ティーチャー モーノベです。
今回はゴム材料の物理的な特性について学びたいと思います。

ゴムの特性を表現するものは、引張り強度や引裂き強度、伸び量、応力歪み量などさまざまな評価項目があります。その中でも、ゴム製品の評価項目として、よく使用される『硬さ』について説明していきます。

1.『硬さ』測定の種類

デュロメーター(ゴム硬度計)世の中のあらゆるものには『硬さ』があります。「硬い」とか「軟らかい」といった感覚的な表現を数値化するために行うのが硬さ測定です。

ゴムの硬さは、ゴム表面に押針を押し込み、その時の変形量を測定して数値化します。針を押し込む力にスプリングを用いる「デュロメーター硬さ」と、分銅などの一定荷重を用いる「国際ゴム硬さ(IRHD)」があります。特に「デュロメーター硬さ」を測定する試験機(デュロメーター)は簡便であり、普及しています。デュロメーターには測定対象の硬さに応じて、中硬さ(一般ゴム)用のタイプA、高硬さ用のタイプD、低硬さ用のタイプEといった機種があります。

2.モーノポンプにおけるゴム部品の硬さ測定

モーノポンプにおけるゴム部品にはステーターやジョイントシールなどがありますが、それらの硬さ測定にもデュロメーターを使用します。ステーターなどのゴム部品では通常、中硬さ用のタイプAを用います。

3.デュロメーター硬さの表記方法

デュロメーター硬さの目盛りはどのタイプも0~100で表します。図に示す様に、押針に力がかかっていないときを「硬さ0」、押針先端が加圧面と同一平面のときを「硬さ100」とし、その間を等間隔に刻んだ目盛りを「硬さ」の値として読みとります。

目盛り表示

計測値は相対的なものであって、他の物性値にある単位というものは存在しません。そのためどの機種を使用したかを表記する必要があります。

一般的なデュロメーター硬さの目安
デュロメーターA95ゴルフボール
デュロメーターA60~80一般的なシール部品
デュロメーターA50消しゴム
デュロメーターA30自転車のタイヤチューブ

デュロメーターA50というのはデュロメータータイプAで測定すると50であるという意味です。

4.ゴム硬さの温度に対する影響

ゴムの硬さは温度による影響を受けやすく、一般的には高温では軟らかく、低温では硬くなります。

常温域
一般的に、常温環境下ではゴムは小さな力でも伸び縮みする性質(弾力性)を持っています。心地よい環境では我々もリラックスしてストレスから開放されるのと同じです。
低温域
低温環境になるとゴムは硬くなり、弾力性が失われます。寒い所に行くと、筋肉が収縮して、体が硬くなるのと同じです。シリコーンゴム(VMQ)は、低温環境下でも弾力性を維持するため、耐寒性に優れたゴムと言われています。
高温域
高温環境になると、ゴムは粘着性を持ち、弾力性も失われて軟らかくなります。真夏時の体調と考えてみてください。ダラダラ、グダグダ・・・・。
5.劣化によるゴム硬さ変化

ゴムは劣化によって硬さが変わります。高温に長時間さらされるとゴムの分子構造が変わり、一般的には硬くなります。また溶剤や薬品に漬け込むと、ゴムが膨潤または収縮することによって、軟らかくなったり硬くなったりします。つまりゴム部品にとって硬さは、劣化度合いを知る指標となるのです。ポンプにおけるゴム部品も定期的に硬さをチェックすることで、部品の交換時期をより正確に把握することができます。

そろそろ時間ですね!最後にまとめをしておきます。

本稿のまとめ

  • ゴム材料の代表的な特性として硬さがあり、一般的にデュロメーター硬さを用いる。「硬さ」には、単位が存在しないため、「硬さ」を表すには測定に使用した機種と目盛り数値を記載する必要がある
  • ゴム硬さは、温度による影響を受けやすく、一般的には低温下では硬くなり、高温下では軟らかくなる
  • ゴムは劣化すると硬さが変化する。ゴム製品の劣化状態は硬さの変化である程度判断できるため、部品交換の目安としても有効である

について学びました。

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