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ポンプの周辺知識クラス

【B-3e】インバーターの基礎知識(Ⅴ)

こんにちは。ポンプの周辺知識のクラスを受け持つ、ティーチャーサンコンです。
前回はインバーターが有する問題点の主なものとして高調波のお話をしましたが、今回は「ノイズ」について説明します。皆さんついてきてくださいね。

1.ノイズとは

一般には処理対象となる情報以外の不要な情報を言いますが、電気の分野では機器の正常な動作を妨げる(恐れのある)余計な電気的な信号のことをノイズと言います。ノイズは他の機器の誤動作や表示のちらつきの原因となり、実際に障害が起こった後の対策は困難となる場合が多いので、事前に万全な処置を講じておくことが肝要です。

2.ノイズが発生する原因 ~ ノイズはスイッチングに伴い生じる ~

ノイズは図1のような回路でスイッチを高速でON、OFFすると発生します。インバーターには図2のような出力回路(直流を交流に変換する回路)があり、必要な周波数や電圧を自在に作り出すのに、トランジスタを高速でON、OFFしているので、図1と同様にノイズが発生してしまいます。

図1:スイッチのオン・オフ、図2:インバータ出力回路のトランジスタのオン・オフ

発生したノイズは、図3のように電流波形を歪ませ、その歪んだ電流が悪影響を及ぼします。

図3:.ノイズ発生の原理とインバータ出力のノイズ

3.ノイズ対策

発生したノイズには3種類(輻射・誘導・伝導ノイズ)あり、図4のような伝播経路が考えられます。

図4:ノイズの伝播経路

ノイズの種類によって対策は異なり、それぞれの基本的な対策は以下のとおりです。

A.輻射ノイズ:インバーター自身から空中に飛び出すもの。
1:インバーター本体より直接輻射するノイズへの対策
インバーター本体を金属ケースで覆いシールドします。
金属ケースを専用の接地線で接地し、接地線は太く、短くします。

説明図

2:電源側ケーブルをアンテナとして輻射するノイズへの対策

ケーブルのノイズレベルをノイズフィルターで下げます。

3:モーター側ケーブルをアンテナとして輻射するノイズへの対策
説明図ケーブルを金属配管の中に入れ、その配管を接地します。
出力専用のノイズフィルターを設置します。
B.輻射ノイズ:他の電源線や信号線に誘導作用により伝わっていくもの。
4、5:インバーターの主回路線に近接する制御線等に電磁誘導作用により誘導するノイズへの対策
説明図インバーターの主回路線(動力線)と相手機器の制御線(信号線)を右図のように分離し、分離できない場合でも、できれば30cm(最低でも10cm)以上、離します。
近接する制御線等はツイストペア線(捩った線)を使用することが必須です。またできればシールドしたものを使用すればより万全です。
6:インバーターの主回路線に生じる電界が制御線等に浮遊容量を通して伝わる静電誘導ノイズへの対策
制御線等の信号線は2芯(又は多芯シールド)線を使用し、シールド線のシールドは一点接地にします。
C.伝導ノイズ(1):電源線自体を伝わっていくもの。
7:インバーター内で発生した高周波ノイズが電源側電線を通じて他の機器に侵入する伝導ノイズへの対策
インバーターや相手機器の電源側にノイズフィルターを設置します。
C.伝導ノイズ(2):漏れ電流が接地線を回り込んでいくもの。
8:漏れ電流が接地線から回り込んでくる伝導ノイズへの対策
回り込み回路をなくす直接的な方法として相手機器の接地線を外すか、相手機器をコンデンサー接地します。

説明図

そろそろ時間ですね!最後にまとめをしておきましょう!!

本稿のまとめ

今回はインバーターの問題点のひとつである「ノイズ」と、その対策について説明しました。ポイントとしては

  • インバーターはノイズの発生源になり、周辺の設備や機器に影響を及ぼす可能性があるので、設置上の留意が必要であり、場合によっては対策が必要となること。
  • ノイズには輻射ノイズ・誘導ノイズ・伝導ノイズの3種類があり、それぞれに合った適切な対策をとること。

次回は、インバーターの基礎知識の最終回で、インバーターの選定・設置上の留意点について説明します。

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