移送の豆知識。移送の学び舎

ポンプの基礎知識クラス

【A-6a】ポンプ選定時に確認すべき事項(1)

ポンプの基礎知識のクラスを受け持つ、ティーチャー モーノベです。
今回は、用途に合ったポンプを選定する際に確認すべき事項について、学びたいと思います。1回目は、ポンプの特性と吸い上げる、押し上げる揚程についてです。

ポンプ特性

ポンプの基礎知識の講座で、「ポンプの種類」「ポンプの原理」について説明しました。ポンプには様々な種類がありますが、どんなポンプでもその構造上、得意な分野(用途)と苦手な分野(用途)があります。

使用目的(用途)に合ったポンプを選択しなければ、そのポンプが有する能力・特性を十分に活かすことができません。例えば、吐出量は最大XXm3/h以上なければいけない、設置場所を考えればXm以上吸い上げる能力がないとダメ、というように。従ってポンプを選定する際には、その目的を明確にした上で、目的に沿ったポンプを選定する必要があります。ポンプの種類別の特性については基礎知識の講座で解説していますので、そちらも参照して下さい。

【参照ページ】
目的・用途に合った仕様の確認

目的に最適なポンプを選定するには、揚程についてその数値などの条件を確認しておく必要があります。

1) 揚程

ポンプは流体を低いところから高いところへ移送する、または圧力を加えるため機械です。どれだけの高さを吸い上げるか、あるいは押し上げるか、またいくらの圧力を加えるのかの数値を知ることで、それに適した性能のポンプを選ぶことができます。

揚程説明図

A:実揚程

低いところから流体を吸い上げて、高いところへ押し上げる場合、吸水面から吐出水面までの垂直距離を実揚程と言い、そのうち吸水面からポンプ中心までの垂直距離を実吸上げ揚程、ポンプ中心から吐出水面までの垂直距離を実押上げ揚程と言います。つまり、

実揚程=実吸上げ揚程+実押上げ揚程

実揚程は吸水面や吐出水面の変動により変化しますので、最大となる数値を把握する必要があります。

B:管路損失水頭(パイプロス)
流体が管内を流れる場合、管壁との間に必ず抵抗があります。特に曲がり、分岐、各種弁などが大きな抵抗になります。この抵抗の数値が管路損失水頭と呼ばれるもので、パイプロスとも言われます。ある太さの管に流体を流す際、量が多ければ多いほど、流体粘度が高ければ高いほどパイプロスは大きくなります。ある配管条件におけるパイプロスを求めるためには流量、流体の種類(ニュートン性、擬塑性など)、粘度もしくはズリ応力、管の長さ、太さ、曲がりや弁などの数が必要になります。

C:圧力水頭
地上に存在する全てのものは大気圧を受けています。吸水面に働く圧力はポンプの吸い上げを助ける方向に、吐出水面に働く圧力は逆に吐出の抵抗となります。通常は吸水面、吐出水面ともに大気中にあるため、両者の差は無視できますが、真空容器からの引き抜きなどでは考慮する必要があります。

D:速度水頭
吸込管端と吐出管端の速度に相当するエネルギーの差を速度水頭と言います。通常は、管径は同じであるため速度水頭はゼロとして問題ありません。

E:全揚程
上記A~Dまでの水頭の合計を全揚程と言います。ポンプの選定のためには吸込側と吐出側を分けて、それぞれで算出します。管路損失水頭や圧力水頭も考慮した吸込側の全揚程から算出されるNPSHavaとポンプ固有の数値であるNPSHreq、吐出したい揚程とポンプそのものの吐出能力の比較により、性能面からポンプが選定されます。

NPSHava、NPSHreqはポンプで液が吸込可能か否かの判定に利用されます。詳細は下記を参照して下さい。

【参照ページ】

そろそろ時間ですね!最後にまとめをしておきましょう!!

本稿のまとめ

ポンプ選定の際には、

  • 適切なポンプの選定に必要ないくつかの条件を確認しなければならないこと。
  • その条件の1つに「揚程」があること。
  • 揚程には4種類の揚程があり、それらの合計を全揚程ということ。

について説明しました。
次回は、選定時の重要なファクターである移送液の性状に関して講義する予定です。

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