冬季は、特に屋外設置の場合、配管やポンプ内の移送液が凍結することがあります。屋内設置の場合でも、凍結にまでは至らなくても低温になることで液体の粘度が上がり思わぬ事態が発生することがあります。
そこで、今回は気温の低下によって生じる問題とその対策についてまとめました。トラブルを未然に防ぐため、ご確認と対策の実施をお願いいたします。
配管やポンプ内の移送液は、下記のような状況で凍結することがあります。
移送液が水の場合、凍結すると体積が約10%膨張し、配管やポンプが破損することがあります。
凍結している状態に気づかずにポンプを運転すると、下記のような問題が起こります。
冬季は凍結だけでなく、液体の粘度にも注意が必要です。多くの液体は温度が下がると粘度が上がりますが、10~20℃の低下で数倍から数十倍の粘度になる場合もあります。
通常より、高粘度になった状態で運転すると、下記のような問題が起こります。
水のように低温になっても粘度が変わらない液体は、循環運転で凍結を防ぐことができます。しかし、低温時に粘度が高くなる液体は、配管抵抗の上昇により、異常高圧・吸込不良が発生することがあり、吐出量を下げるなどの対策をした場合でも循環運転をすることは危険です。ヒーティングは切らずに、液の粘度を確認してから行ってください。
特に気温が下がった翌朝などは、十分点検してから、運転を開始してください。