F1メカニックとして世界を渡り歩き、
第一線でその腕を振るってきた津川哲夫氏。
彼が経験上痛感しているのは、
いつの時代もどの地域でも「オリジナルである」ことの強さ。
『オリジナルなものづくり』を追求する企業姿勢に共鳴し、
今回のヘイシン探訪が実現した。
ご案内するのはヘイシンの杉野祥弘と生田楓。
技術部の杉野はモーノディスペンサーの「育ての親」のような存在で、
主に自動車・食品業界に明るい。
生田は新卒2年目のヘイシン「ものづくり」広報ガール。
さて、どんな話が始まりますか。
モーノポンプの機能や構造を見ていたら、実際に製造している現場も見たくなってきたよ。
もちろん。部品検査から出荷まで、ぜ~んぶご案内いたします。
ここは部品の受入検査のセクションで、モーノポンプの信頼性を確保するための、最初の関所みたいなものです。
この機械は、何?
これは対象物の画像を撮って寸法を測定する機器です。ここにローターを置くとモニターに寸法が細かく表示され、スペックどおりに仕上がっているか把握できます。
なるほど。このねじれた形、普通のメジャーじゃ測れそうにないもんね。
はい。ローターはポンプの仕様に合わせて種類がいろいろあります。大きいものは全長2メートルにもなるので、さすがにこの機械は使えません。
逆に、直径が1ミリほどのローターもあるんですよ。
そんなに小さいローターも作れるんだ ! すごい。それだけ小さいポンプがあるってことだよね。何に使われてるの?
それはあとでご紹介しますので、お楽しみに。
ここでは、いま見ていただいたような寸法測定だけでなく、材質も検査しています。
へぇ。どんなふうに?
X線で金属の含有比率をチェックしています。
X線かぁ。確かに、「これはチタン製です」と言われても、見ためだけじゃわからないもんねぇ。
部品を検査したあとは、組立と運転検査の工程になりますので、移動しましょう。
組立工程では、一人一台、完成までを受け持つ「一台流し」というシステムを採用しています。
へぇ~。このポンプを組み立てるのにどれくらいの時間がかかるの?
熟練工なら30分弱ですね。
意外と早いね ! 一人で組み立てるっていうことは、その人が全責任を持つってことだから、いい意味でプレッシャーがかかるねぇ。
はい。生産量の変動やカスタム製品の要望などにも、フレキシブルに対応できます。
こうして組立作業を見ていると、スペースの最小化にも繋がっているし、優れたシステムだなぁ。おまけに組み立てたあと、すぐ横で運転検査しているんだから、ミスしたら恥ずかしいしね(笑)。
はい(笑)。
運転検査で合格した製品は、金属コンテナを用いて配送されます。金属コンテナなら、返送していただいて何回も再利用できますので、木材梱包するよりも資源のムダになりません。お客様にも好評なんですよ。
頑丈そうだし、環境にもいいし、いいことずくめだね。でも返却率はいいの?
はい。ほぼ100%です。
さて、部品の受入検査から出荷までおおまかにご案内しましたが、ついでだからラボも見ていかれますか?
もちろん ! なんでも見たいよ。
では、次はラボがあるテクニカルセンターへ参りましょう!